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1/700岡崎汽船『日豊丸』完成

本日は、プライベート作品として製作していた、1/700岡崎汽船『日豊丸』の完成写真をご紹介します。

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『日豊丸』は、戦前に岡崎汽船(現在の日豊海運)が所有していた木材運搬船で、戦時中は特設給水船として日本海軍に徴用され、トラック島空襲によって沈没しました。実船は現在でも(95式軽戦車などを積載したまま)デュブロン島沖の水深45mの海底に残っており、ダイビングスポットとしても知られています。

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1/700岡崎汽船『日豊丸』、左舷側からの全景。キットはフェアリー企画の海軍特設給水船仕様のものをベースに、武装を撤去し、塗装替えする方法で徴用前の姿を再現しました。塗色は白黒写真から推定したものですが、ファンネルマークなどは汎用のアクセントデカールやラインデカールを組み合わせることで、実物のイメージに近づけることができました。

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キットはフルレジンで船体が前後三分割となっていたため、合わせ目の処理がカギとなりました。また、丸窓のモールドも不ぞろいだったために一旦全て埋め、テンプレートによるドリル加工で再生しています。(船尾と船首側面の船名表示はインクジェットプリンターで自作し、プロムナードデッキの支柱はプラ角棒で自作しました)

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船首からブリッジ&煙突にかけてのクローズアップ。前部マストは0.8mm径の真鍮線で自作し、クロスツリーはハセガワの1/700日本郵船『氷川丸』のパーツから流用しました。門型クレーンの柱も『氷川丸』のクレーン支柱を使用し、汎用のトラスエッチングで繋げる方法で再現しました。また、クレーンブームは0.5mm径のプラ丸棒を切り出して自作したものです。

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その他、救命ボートも氷川丸からの流用で、ボートダビットはファインモールド製のナノドレッドシリーズのパーツによる再現です。キセル型通風筒は、シールズモデルの明治艦用汎用パーツをドリルで開口し、手すりやラッタル、シュラウドなども汎用品を現物合わせで取り付けました。

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海面ベースはいつものようにジェルメディウムで造成し、航行波は船足の遅さをイメージしたものに仕上げました。今回の製作は推測によるところが多く、どれくらい実船に正確なのかは分かりませんが、完成した姿はいかにも「模範的な戦前型の貨物船」といえる可愛らしいスタイリングで、大いに気に入りました。 

今回完成した『日豊丸』は、個人的に製作した船舶模型としては、2017年秋に完成した1/700日本郵船『信濃丸 http://modelfactoryhg.blog.fc2.com/blog-entry-1326.html 』以来、約一年半ぶりの完成品でもあり、恐らくは平成最後のプライベート作品になるのではないかと思います。

昨年は自分用に船の模型を作る時間が全くありませんでしたので、今年は小型船をメインに、あと2~3作程度の完成を目指したいところです。

(次回もプライベート作品をご紹介します)

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1/700岡崎汽船『日豊丸』製作 その2

本日も、プライベート製作品のフェアリー企画1/700『日豊丸』の製作の様子をご紹介します。

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前回の船体の接着に引き続き、主要パーツ群を仮置きした様子です。(成形色の印象も手伝って、型から引き出したシャーベットみたいですね)

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デッキと船橋構造物にはかなり大きな隙間がありましたので、プラ角棒を2本重ねて塞ぎました。船体とデッキの幅もかなり違うので、最終的にはデッキ側の幅を1㎜ほど詰めて舷側のラインと揃えています。

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船体外舷の継ぎ目は、最初にゼリー状の瞬間接着剤を充填し、ある程度埋まったところで硬化剤で固めました。その状態で「捨てサフ」を吹いてサンディングし、消えきらない部分は液状瞬間接着剤を流して同様に処理しています。(削る際には船体の幅が変わってしまったり、船橋構造物の形状を変えてしまわないように注意が必要でした)

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主要パーツの下地処理が終わった段階で、プロムナードデッキ開口部に(プラ角棒)で支柱を追加しました。実船の支柱はもっと数が多い可能性がありますが、今回は(作業性と見た目のバランスを考慮して)4本取り付けています。

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ブリッジと煙突にも巨大なバリが付いていたため、プラ材などで作り直すことも考えたのですが、結局はバリをしっかりと落とし、ヒケや気泡をひとつひとつ埋めて形状を整えました。

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各パーツの修正を終えた段階で、改めて船体に仮置きしてみたところ、ようやく商船模型らしいフォルムが見えてきました。(ある意味、ここからが「第二のスタート地点」と言えそうです) このあと、一旦埋めた舷窓モールドもドリル加工で再生しました。

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塗り分けについては、実船の白黒2枚を参考に一般的な白黒塗装としました。(細部の塗り分けや、上からしか見えない部分についてはわからないので、ある程度推測を交えています) 独特のファンネルマークも写真から導き出したもので、汎用のラインデカールとアクセントデカールを組み合わせて再現しました。

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続いて、救命ボートや通風筒を取り付けるのですが、キットに付属のレジンパーツはバリと湯周り不足が激しかったため――

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ハセガワの1/700日本郵船『氷川丸』をひと箱、ドナーとして用意し、パーツの流用を行いました。商船の1/700プラキットは他にもあるのですが、『氷川丸』は実売価格が1,000円を切っていてコストパフォーマンスが高く、他船のパーツをランナー単位で請求するよりも安くつく点が嬉しいです。

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マストはキットには付属していないので真鍮線で自作し、クロスツリーのみ『氷川丸』のマストから切り取ったものを使用しました。また、門型マストも氷川丸のクレーン支柱を使用し、汎用のトラスパーツを組み合わせています(写真左) エッチングは手摺とラッタルなどの汎用品を使用し、アクセントとして明治艦用のシュラウドを取り付けました(写真右)

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船名表示のデカールはパソコンでデータを作成し、プリンターで自作しました。(家庭用のインクジェットプリンターでは白を出力できないため、ホワイトデカールに黒の縁取り部分を印刷しています) 

なお、キットの箱絵では『日豊丸』のスペルは『NIPPO MARU』となっていましたが、実船写真からは『NIPPOH MARU』と読み取れましたので、そのように表記しています。

駆け足での工程画像紹介となりましたが、次回は完成写真をご紹介します。


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1/700岡崎汽船『日豊丸』製作 その1

先週から今週にかけては、イカロス出版誌の作例締切に追われて少々忙しくしております。

そこで今週は、主にプライベート作品の製作の様子をご紹介します。

まずは、奈良模型愛好会の春展への出展を目的に製作していた、1/700岡崎汽船『日豊丸』からです。

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キットはフェアリー企画の製品です。昨年の静岡ホビーショーの合同展示会において、私の商船作品群をご覧になったお客さまから、「フリマの会場で、フェアリー企画さんが商船キットを幾つか出してましたよ~」との情報を頂きまして、すぐに入手しました。

キットは海軍特設給水船の仕様ですが、形状的には商船時代(←木材運搬船だったようです)と、それほど変わりないようでしたので、例によって武装を撤去して塗装替えをする方法で戦前の姿の再現を目指しました。

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キット内容はフルレジンで、船体は前部、中部、後部の三分割となっています。このような分割構造はフェアリー企画の艦船キットではデフォルトのようで、反りを修正する必要はない反面、合わせ目処理には気を使う仕様です。

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主要パーツは三分割された船体とデッキの一部、そしてブリッジの上部と煙突です。(ひとつひとつのパーツの処理に手間がかかりますので、パーツ数自体が少なめになっていて助かりました)

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各パーツのクローズアップ。大きなバリと表面のキズは比較的、容易に修正可能ですが、舷窓などの不ぞろいのモールドは一旦埋めてから処理しなおす必要があります。

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パーツをじっくり眺めれば眺めるほど、今後の製作が思いやられてしまいますが、とにもかくにも船体を接着しないと始まらないので、(その準備として)まずは断面のバリを落とし、ドリル穴を3カ所ずつ開口しました。

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この穴に真鍮線を差し込んでおけば、接着後の強度不足をおぎなう補強になります。真鍮線に対して差し込み穴は大きめに開け、ゼリー状の瞬間接着剤を充填して隙間を埋めました。

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船首から船尾までの軸線を整えるために、接着の際にはスコヤをつかって直線を出しました。ちなみに、このスコヤは(建築模型と樹脂製品の試作の)会社に勤めていたときに、15mm厚のアクリル板から自作したもので、ジオラマ用の建造物をスクラッチするときなどに重宝しています。

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接着の済んだ船体を裏側から見た様子。三分割構造の船体が、ようやくひとつにまとまりました。

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合わせ目の隙間や舷側のモールドはこのような具合です。この状況を見て心が折れてしまうモデラーも多いかもしれませんが、表面処理をじっくりと行えば修正は充分に可能です。

次回も、1/700岡崎汽船『日豊丸』の製作をご紹介します。


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プロフィール

HIGH-GEARed

Author:HIGH-GEARed
奈良市在住、スケールモデル販売業者「モデルファクトリーハイギヤード」の製作担当兼代表をしております。

また、渡辺真郎の名前で『月刊モデルアート』、『艦船模型スペシャル』等の模型雑誌の作例記事や考証記事を書かせていただいております。

このところ、無記名のコメント(名無し、通りすがり)などが増えております。HN記載のない投稿は全て削除しますので、ご注意ください

インターネット上とはいえ、人間同士の交流の場としてコメント欄を公開しておりますので、マナーをお守りいただき、フェアなお付き合いをよろしくお願いいたします。

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